子宮筋腫の分類
  1. HOME>
  2. 子宮筋腫を知る>
  3. 子宮筋腫の分類

子宮筋腫の分類


2018年10月公開
2021年11月更新

子宮の断面をみると、一番外側から漿膜(しょうまく)、子宮筋層、子宮内膜という3層構造になっています。子宮筋腫はこの3層のうちのどこからでも発生します。どの場所(層)に発生するかによって、「漿膜下筋腫」「筋層内筋腫」「粘膜下筋腫」の3つに分けられます。筋腫ができた場所によって、治療法の選択肢が異なる場合があります。

子宮筋腫の分類

筋層内筋腫

子宮筋層にできる筋腫です。子宮筋腫の中でもっとも多いタイプです。小さいうちは症状がありませんが、大きくなると子宮内腔にせり出してくるため、過多月経になることがあります。

粘膜下筋腫

子宮の内側をおおう粘膜=子宮内膜の内側に発生する筋腫です。発生頻度は低いのですが、子宮の内腔に突出するようにコブができるため、小さなものでも月経量が多くなったり、その影響で貧血になるなど、症状が出やすいタイプです。
一部は根本に茎をもつ有茎性粘膜下筋腫となります。これが、子宮内で成長すると、異物を押し出そうとする子宮のはたらきで、子宮口から飛び出してくることがあります。これを筋腫分娩といいます。

漿膜下筋腫

子宮の外側表面をおおう漿膜の内側にできる筋腫です。子宮の外側にコブができる漿膜下筋腫は、子宮内部を圧迫することはないため、月経異常などの症状が現れにくく、発見されにくいタイプですが、筋腫が大きくなると圧迫症状が現れることがあります。子宮本体から離れて、細い茎でつながる有茎性の有茎性漿膜下筋腫もあります。まれに茎がねじれることがあり、その場合、痛みを伴います。

ミニコラム プラスCafé パートナーの皆さまへ 妻や恋人が婦人科の病気になったとき

子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、子宮という女性固有の臓器にかかわる病気でもあります。
それゆえ、パートナーからの何気ないひと言で、想像以上に傷つく人もいるようです。
たとえば、「もう子どもを産むわけじゃないんだから、子宮を全部取ってもらったら?」などというのは、「もう女性として見られていないの?」とショックを与えたり「そんなデリカシーのない人だったの?」と怒らせたり、二人の関係を揺るがしかねない発言です。
つらい状況から早く解放されればよいのにという患者さんのからだを心配しているからこその言葉なのでしょうが、ときには、正論ではなく、女性の気持ちに寄り添ってほしいときもあるのです。

妊娠や出産という役割や年齢に関係なく、女性にとって、子宮も乳房もかけがえのないものであり、パートナーの人たちにもそれを知っておいてほしいと願っています。
妻や恋人がどのような治療を選択するとしても温かく受け止め、相手の気持ちに寄り添いながら治療がうまくいくようにサポートをお願いします。




※このコンテンツは産婦人科の先生にアドバイスをいただき作成しています。