子宮筋腫の症状
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子宮筋腫を知る 子宮筋腫の症状

子宮筋腫の症状から考える治療のタイミング

子宮筋腫は、良性の腫瘍なので、命にかかわる病気ではないのですが、子宮筋腫があることで、不快な症状に悩まされたり、日常生活に支障が生じたりするようになったら、治療を検討する時期だといえるでしょう。

子宮筋腫の代表的な症状としては、過多月経と、それに伴う貧血、下腹部痛、不正出血、月経困難症、性交時不快感、不妊、下腹部に触れるとしこりがわかる腫瘤感や、しこりによる圧迫症状が原因で起こる頻尿、腰痛などが挙げられます。一人の患者さんにこれらのすべての症状が起こるわけではなく、子宮筋腫の種類、できた場所や大きさ、筋腫の数などによっても症状や重症度が違ってきます。
筋腫ができた場所によって、また筋腫のサイズが小さいときには、症状が現れないこともあります。
子宮筋腫のある患者さんの半数以上は無症状といわれ、筋腫があることに気づかない人も多いものです。

不快な症状が、子宮筋腫と関係があるのではないか、と気になるときには、あてはまる症状などを整理して、医師に伝えるとよいでしょう。
子宮筋腫は良性の疾患です。いくつかの選択肢の中から治療を検討する時間的な余裕があります。子宮筋腫ができている場所や、妊娠・出産を希望するかどうか、治療に費やすことができる期間など、いろいろな角度から考えて医師と相談して、いくつかの選択肢の中から、最適な治療法を決めてください。

子宮筋腫の代表的な症状

過多月経

過多月経

月経中に多量の出血がある、持続的に出血する、レバーのような血のかたまりが出るといった症状を過多月経といいます。これらは子宮筋腫の症状のなかでは、もっとも多い症状です。
生理期間中の経血量が140ミリリットル以上を過多月経といいますが、実際には、どのくらいの経血量があったのかを把握することは難しいでしょう。1~2時間ごとにナプキンを取り換えないと月経血があふれ出る場合などは、過多月経が疑われます。
アメリカには、エビデンスをもとにした臨床意思決定の支援のための情報として「UP TO DATE」というものがあり、そこには、標準的な月経量と月経期間について具体的に述べられています。ここで挙げられた項目に該当しない場合、過多月経と考えられます。

標準的な月経量・月経期間
  • ナプキンあるいはタンポンが3時間以上もつ
  • 月経期間に使用する生理用品が21個以下である
  • 血のかたまりがあっても、約3センチ(親指大)以下である
  • 夜中に生理用品を交換する必要がない
  • 検査で鉄血乏性貧血を指摘されていない
  • 月経期間は8日以下である
UpToDateを参照

過多月経は、子宮筋腫の中でも粘膜下筋腫や筋層内筋腫によくみられる症状です。子宮筋腫が子宮内に突出して内腔が変形するため、子宮内膜の表面積が増え、内膜の剥がれ落ちる量が増えるためだと考えられています。
粘膜下筋腫では、筋腫が小さなものでも、月経時の出血量が非常に多くなることがあります。筋層内筋腫では、小さいうちはあまり症状がないのが普通ですが、大きくなるにつれて子宮内腔が変形し、過多月経となることがあります。過多月経により貧血を合併する人も少なくありません。

過多月経は子宮筋腫に限った症状ではありませんが、職場でも頻回にトイレに通うので、周囲の目が気になるとか、営業職などの外回りの仕事ではトイレを探すのに苦労する、など日常生活に影響がある場合は、早めに婦人科を受診して、過多月経の原因を調べてもらいましょう。
過多月経の原因が子宮筋腫だった場合は、治療が必要か、経過観察でよいのか、医師と相談するとよいでしょう。

過長月経

月経時と変わらない量の出血が8日以上続く場合は、過長月経が考えられます。月経期間が長くなる原因としては、いくつか考えられますが、子宮筋腫や子宮腺筋症など、子宮そのものに何らかの異常(形や大きさ)がある場合に月経期間が長くなることもあります。しかし、子宮筋腫などが原因で月経期間が長くなった場合は、月経量の増加もみられることが多いです。

貧血

貧血

毎月の月経量が多い場合や月経期間が長い場合は、貧血に注意しなければなりません。いままでと同じ生活をしているのに、めまいや疲れやすさ、動悸、息切れ、だるさなどを感じることが増えてきた人は、貧血を疑ってみましょう。
貧血の検査を受けたことで、子宮筋腫が発見された、という人もいます。貧血ではないかと感じたら、まず、近くのクリニックで貧血の検査を受けてみるのも一案です。

貧血改善のためには、市販の薬を服用することもあると思いますが、改善しない場合や長く続く場合は、やはり一度受診して、適切な薬を処方してもらうようにしてください。
子宮筋腫による過多月経や過長月経が原因で貧血がひどくなると、薬を服用していても症状の改善がみられないことがあります。そのような場合には、子宮筋腫自体の治療を検討します。

腫瘤感

子宮筋腫の腫瘤(しゅりゅう:しこりのこと)が大きくなると下腹部が突き出してきて、触れると硬いものが確認できることがあります。子宮の外側にできる漿膜下(しょうまくか)筋腫に多い症状です。
筋腫が赤ちゃんの頭くらいに大きくなると、おなかがふくらんで妊娠しているように見えることもあります。

大きくなった子宮筋腫により、頻尿などの圧迫症状が出るなど、日常生活に支障が出るような場合には、治療を検討します。
また、下腹部に何か触れる場合や圧迫症状がある場合、原因は子宮筋腫とは限りません。他の疾患の可能性もありますので、これらの症状を感じたら必ず婦人科を受診してください。

圧迫症状

圧迫症状

大きくなった子宮筋腫の腫瘤が、周辺の臓器を圧迫することで、さまざまな不快症状が出ることがあります。漿膜下筋腫によくみられる症状です。
子宮の前にある膀胱が腫瘤によって圧迫されると、尿を貯める容積が小さくなり、頻尿尿失禁を起こすことがあります。
また、尿道が圧迫されると、尿が出にくくなる排尿困難や、まれに尿がほとんど出なくなる尿閉になることもあります。
非常にまれなケースですが、腎臓から膀胱に尿を送っている尿管が圧迫される場合は、水尿管症や、水腎症になることがあります。
さらに、まれなケースとして子宮筋腫が骨盤内の血管や神経を圧迫すると、腰痛下肢浮腫を引き起こすこともあります。

このような圧迫症状により、日常生活に支障がある場合も、治療を検討します。

下腹部痛

下腹部痛・月経困難症・慢性骨盤痛・月経痛

子宮筋腫があると、月経のときに起こる下腹部痛が強くなることがあります。子宮筋腫のできる場所によって、あるいは人によってはズーンとしたにぶい痛みのこともあれば、陣痛のように押し寄せるような強い痛みを感じることもあります。粘膜下筋腫では、強い月経痛が起こることも珍しくありません。
また、月経に伴って、下腹部痛だけでなく、発熱、頭痛、吐き気、食欲不振、憂うつなどがいくつか混在する月経困難症と呼ばれる症状が、強く出ることもあります。
このほか、月経期間以外の時期に下腹部痛や腰痛(慢性骨盤痛)が出現することもあります。

ただし、これらの症状は子宮筋腫に限りません。痛みが強い場合は子宮内膜症や子宮腺筋症(「子宮筋腫によく似た病気」参照)の可能性、もしくはそれらの病気を合併していることも考えられますから、受診して原因となる病気を調べてもらいましょう。

不正出血・おりもの

粘膜下筋腫では月経期間以外にも、筋腫表面の子宮内膜から持続的に出血(不正出血)することがあります。この場合も、貧血に注意をはらう必要があるでしょう。

また、粘膜下筋腫の表層をおおう子宮内膜にただれができ、分泌液が混ざった水様のおりものが増えることがあります。

不正出血やおりものの異常は、がんをふくめた子宮筋腫以外の婦人科の病気にむしろ多い症状です。いつもと違う様子に気づいたら、婦人科を受診するようにしましょう。

性交時の不快感

性交時に子宮筋腫が動き、その影響で痛みや不快感を感じることがあります。

不妊

粘膜下筋腫や筋層内筋腫が子宮内腔に突出していると子宮の中がでこぼこになるため、受精卵が着床しにくくなります。また、着床しても、流産しやすい傾向があるといわれています。しかし、子宮筋腫があっても妊娠・出産している人もたくさんいます。また、治療後に妊娠・出産している人も多いので、妊娠・出産を希望する人は早めに医師に相談してみましょう。