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2025年1月公開

治療法を理解し、自分にとって正しい治療選択を

My Stories 治療法を理解し、自分にとって正しい治療選択を
子宮筋腫の治療を体験した患者さんへのインタビュー
治療によって、仕事もプライベートもポジティブに
M.Mさん 50代(治療当時)
30代の頃から実に20年近くも、不正出血や出血量の多さなど、子宮筋腫による症状に悩まされていたM.Mさん。「一生これでは嫌だ」と思った時に、以前受診していた総合病院の婦人科医師からカテーテル治療の説明を受け、お腹を切らなくても子宮筋腫の辛い症状が抑えられる治療法に興味を持ち、治療に踏み切りました。術後は、徐々に子宮筋腫も小さくなり、もともと好きだったスキーを思う存分楽しむことができています。「仕事もプライベートも、ポジティブな気持ちがどんどん芽生えている」と語るM.Mさんに当時の状況を伺いました。
M.Mさん01
子宮筋腫がわかったきっかけ、
そして悩み
30代前半頃に1ヵ月以上続く不正出血がありました。普段は看護師として働いており、当時はまだ夜勤をしていたのでそのせいかなと思っていたのですが、「それはおかしいんじゃない?」と同僚に言われ近所のクリニックで診てもらったんですね。そうしたら子宮そのものよりも大きい子宮筋腫が見つかり、医師から大きな病院で手術をした方が良いと勧められました。そんなに大きい筋腫だったのですが、自分でも気づかず(笑)、また、もともと生理不順や出血量も多かったので、軽い気持ちでいました。

他にも細かな筋腫があったようですが、当時は結婚したばかりの30代だったので大きな子宮筋腫だけ取る子宮筋腫核出術をしました。その後、妊娠がわかったときに、勤め先の総合病院で相談する機会があったんですね。子宮筋腫核出術の際に子宮壁をちょっと削っていたので、出産できるのかどうかを相談したのです。そしたら、『大丈夫!ここで産めますよ。おめでとう!』 って言われ、結果、無事に出産しました。ただ、筋腫が残っているので長く付き合っていくしかないね、とも言われていました。
婦人科に行くかどうかの迷い
M.Mさん02
子宮筋腫核出術をした後も、実は出血量の多さには悩まされていました。でも婦人科クリニックで診てもらうということは、女性にとってハードルが高いじゃないですか。私も受診するかは結構悩みました。ただ疲れているだけなのかなと思ったり、医療に携わる仕事をしている分、自分の不正出血を認めたくない、という思いもありました。

それと、出血量は他の人と見比べられないから、正常範囲なのかどうか良くわからなかったこともありますよね。でも、一晩で夜用ナプキンでも3時間持たないし、昼の勤務中も心配がつきないと同僚に話したときに、「それは異常だよ!」と言われたことを覚えています。それで覚悟を決めてクリニックに行きました。
クリニックでは漢方薬の服用とホルモン療法をやりました。ホルモン療法は私はアレルギー反応が出てしまったり、紫外線を浴びてはいけないなどの制約があったのでつらくて半年でやめました。でも、それが無理なら経過観察しながらじっと閉経を待つしかない、というのがクリニックでの判断でした。それで20年近く過ごしたのです。
UAE治療を決断したきっかけ
以前受診した総合病院では貧血症状からくる心臓の検査など、複合的に見てもらっている中で、婦人科の先生から説明されてカテーテル治療(UAE・子宮動脈塞栓術)のことを知りました。ただ、その時は保険適用ではなかったし、年齢のこともあったので悩んでいました。その後、UAE治療が保険適用になったという情報が入ってきたときに、私はまだ月経過多が続いていたので、このまま一生これでは嫌だなと暗い気分でいたところ、UAE治療に興味がわきました。

私は子宮筋腫核出術、それによる帝王切開での出産、そして虫垂炎 と、3回も外科的手術をしたので、臓器の癒着があるようなんですね。その状況で子宮全摘手術をするのなら、消化器等の他の分野とも連携しながらの大々的な手術になるよ、と先生に言われました。また、狭心症もあるので、命にかかわらないのであればこれ以上外科手術は勧めない、と。そんな中、UAE治療ならお腹を切らなくても子宮筋腫の症状が抑えられる、そんな治療法があるなら相談したい!と思ったのです。
※UAE(子宮動脈塞栓術): カテーテルを脚の付け根から子宮筋腫の手前まで進め、筋腫を塞栓物質でつめる子宮筋腫の治療法のひとつ。子宮筋腫に栄養を与えている子宮動脈の血流を止めることによって筋腫を壊死させ、筋腫の縮小と症状の改善を目指す治療法です。

子宮筋腫のUAE(子宮動脈塞栓術)の相談ができる病院検索

私が受けたUAE治療のようす
●術前・術中

家族にUAE治療の説明をしたら、「それで直るの?」、「何を詰めるの?」、「どうやってやるの?」、、、といろいろな話になりました。カテーテル治療を経験した人が周りにいないので、未来の治療法みたいなイメージでしたね。でも、大きく傷はつかないし、入院も短期間でいいらしい、という話をしたら、「それならやってみれば?」と。

実際の手術前には、先生はもちろん看護師さんからも丁寧にしっかり説明いただいたので、安心して受けられました。声をかけてもらいながらの手術なので状況は把握できますが、お任せして横になってましたね。覚えているのは最初の針刺しの時のちょっとした痛みと、造影剤が入ってきたときのからだがぼ~っとする感じぐらいでしょうか。あえて言えば、UAE治療の手術中に血管を詰めている感覚はないので、これで大丈夫なの?と思いました(笑)。

●術後

術後は4時間安静ですと言われましたが、麻酔が効いているのであっという間でした。術後の痛みがあると言われていましたが、もともとの生理痛がひどかったので、それに比べれば痛くなくて、痛み止めも1回ぐらいしか飲まなかったです。発熱も37度ちょっとぐらいでした。痛みがなかったので予定より1日早く5日で退院しました。手術跡もきれいで、家族も驚いてました。

そして、翌月の生理の出血量が10分の1ぐらいに減って、あれ?っと驚きました。痛みもほぼなかったです。2日目の重い日に自転車に乗れるんです!手術前はまたぐこともできなかったから凄い改善ですね。そして、それは最初の1ヵ月だけかな?と思っていたら、その後もずっと快適が続いています。そうそう、あと、夜は一晩中、ぐっすり眠れます。途中でナプキンを替えるために無理して起きなくてもいいんです!こんなに改善するならもっと早くやればよかった、と、本当に思います。
UAE治療を終えて
50歳になったときに、UAE治療前の自分の状態が続くなら早期退職かな、、、と思った時がありました。術後の今は、定年退職まで行けるなあ(笑)という気持ちになるくらい、UAE治療をやって良かったと思っています。年齢的に更年期症状もありますが、UAE治療前の痛みや苦しみと比べれば、私にとっては全然問題なく対処できています。

術後の定期健診のMRI検査では、徐々に筋腫が小さくなっていると聞きました。そのせいか、冬にはもともと好きだったスキーに行って、滑りながらヤッホー!と言っちゃってました。(笑)それまでは生理中にスキーに行ったら、車の中でじっとしてるだけだったんですから。仕事もプライベートも、ポジティブな気持ちがどんどん芽生えています!
子宮筋腫を抱えている人に伝えたい
今回インタビューを受けることにしたのも、同じように悩んでいる人にUAE治療選択のきっかけをお伝えできればと思ったからです。もちろん、他の治療法でも本人が納得できるものに出会えれば、それぞれの最善な選択で良いとも思います。生理に関する悩みって、なかなか他人には理解してもらえないじゃないですか。私はUAE治療を選択したことを、そして結果、自分にとって良かったことを、多くの方に伝えたいです。

UAE治療はわかりにくいものかもしれませんが、先生方はしっかり説明してくれるので、納得して選択できると思います。保険も適用されているので、他の治療法と比べても高額ではないですし、こんなに改善されて本当に嬉しいので、是非一度先生に相談してみてください。
M.Mさん03