子宮筋腫の患者さん像
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子宮筋腫の患者さん像


2018年10月公開
2021年11月更新

子宮筋腫は患者数が多い婦人科疾患

女性特有の病気の中でも、子宮筋腫の患者数は多く、35歳以上の女性の20~30パーセント、40歳以上では40~50パーセントにみられます。厚生労働省の患者調査(平成29年)では、子宮筋腫の推定受診患者数は11万6000人でした。

子宮筋腫になりやすい人とは

子宮筋腫になりやすいのはどのような人でしょうか。子宮筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモン(卵巣ホルモン)の1つであるエストロゲンによって、成長が促進されることがわかっています。そのため、卵巣ホルモンの分泌が盛んな成熟期の女性、つまり20~40代の若年層に多く発生します。また、早く月経がはじまり、卵巣ホルモンにさらされる時間が長い人は、子宮筋腫になりやすいと考えられます。11歳以前に月経がはじまった人は、13歳以降の人よりも子宮筋腫のリスクが高いという報告もあります。一方、成熟前の10代の女性や、卵巣機能が低下する50~60代以降は、卵巣ホルモンの分泌が少ないため、子宮筋腫が発生しにくいものです。子宮筋腫がある人でも、閉経後は縮小する傾向があります。

子宮筋腫の発生は、人種によっても差があります。アメリカではアフリカ系のアメリカ人のほうが白人に比べて子宮筋腫ができやすいといわれており、ヒスパニック系、アジア系の人はその中間といわれています。
先述したように初潮年齢の早い人、また出産経験がない人、妊娠回数の少ない人、肥満、糖尿病、高血圧、アルコール摂取も子宮筋腫のリスクが高いといわれています。

なお、遺伝的な影響を心配する方もいらっしゃると思いますが、多少の関係はあるものの、子宮筋腫自体が珍しくない病気ですから、遺伝とは関係なく、母と娘の双方が発症することもあります。

ミニコラム プラスCafé 30~40代の女性像

子宮筋腫を発症することの多い30~40代の女性をみてみると、仕事をもつ人が多く、また子育て世代でもあります。場合によっては、親の介護などを担う人もいるでしょう。
いざ、治療をしたいと思っても、この世代の女性たちに共通するのは、
「まとまった時間がとれない」
「長期間仕事を休むのは無理」
「入院中、子どもの面倒をみてくれるところがない」などといった悩みです。
多忙な世代であるからこそ、長期の入院は避けたい、という傾向があるようです。

最近では、入院期間や療養期間が短く、早く社会復帰ができる治療法が広く行われるようになっています。
まずは、自分にとってベストな治療法をチョイスできるように、自分の希望を整理して、医師に伝えてみましょう。
希望する内容や質問事項をメモにまとめて持参すると、伝え忘れもなく、問診の時間を無駄なく使えますね。
ただし、病状によっては、希望する治療がベストな治療とは限りません。
医師の説明を聞き、納得する治療を選択してください。




※このコンテンツは産婦人科の先生にアドバイスをいただき作成しています。