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お役立ちミニコラム プラスCafé

子宮筋腫と診断されると、治療法を選んだり、手術のために入院したり、入院のために準備をしたりと、心も体も忙しくなります。
そんなときに、ちょっとお役に立つ情報をコラムにしました。

妊娠、出産を希望しない人に、子宮は不要!?

以前は、妊娠を望まない場合や出産する年齢を過ぎた場合、あるいはすでに子どもがいる場合、「もう必要ないでしょう」と子宮の全摘を勧められるケースがありました。
しかし、妊娠や出産という目的がなければ、子宮は必要ないのでしょうか。

子宮は妊娠、出産にとって欠かせない臓器であると同時に、女性を象徴する臓器でもあります。そんな子宮がなくなることに抵抗を感じる人も多いと思います。からだの機能に影響は出ませんが、喪失感が残るかもしれません。
子宮筋腫の治療法には、子宮をとらない治療法もいくつかあります。ただし、子宮を残す治療を選ぶ場合は、再発する可能性があることも覚えておきましょう。
子宮を残したくても大きさや位置、合併する病気などによっては、全摘を選ばなくてはならないこともあります。また、子宮筋腫の症状すべてから解放されたいと、あえて全摘を選ぶ人もいるでしょう。

子宮を切除したからといって、女性らしさが失われるわけではありません。
子宮を残す治療も、残さない治療も、その人自身が十分に納得して選択することが、何より大切なことではないでしょうか。

30~40代の女性像

子宮筋腫を発症することの多い30~40代の女性をみてみると、仕事をもつ人が多く、また子育て世代でもあります。場合によっては、親の介護などを担う人もいるでしょう。
いざ、治療をしたいと思っても、この世代の女性たちに共通するのは、
「まとまった時間がとれない」
「長期間仕事を休むのは無理」
「入院中、子どもの面倒をみてくれるところがない」などといった悩みです。
多忙な世代であるからこそ、長期の入院は避けたい、という傾向があるようです。

最近では、入院期間や療養期間が短く、早く社会復帰ができる治療法が広く行われるようになっています。
まずは、自分にとってベストな治療法をチョイスできるように、自分の希望を整理して、医師に伝えてみましょう。
希望する内容や質問事項をメモにまとめて持参すると、伝え忘れもなく、問診の時間を無駄なく使えますね。
ただし、病状によっては、希望する治療がベストな治療とは限りません。
医師の説明を聞き、納得する治療を選択してください。

パートナーの皆さまへ 妻や恋人が婦人科の病気になったとき

子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、子宮という女性固有の臓器にかかわる病気でもあります。
それゆえ、パートナーからの何気ないひと言で、想像以上に傷つく人もいるようです。
たとえば、「もう子どもを産むわけじゃないんだから、子宮を全部取ってもらったら?」などというのは、「もう女性として見られていないの?」とショックを与えたり「そんなデリカシーのない人だったの?」と怒らせたり、二人の関係を揺るがしかねない発言です。
つらい状況から早く解放されればよいのにという患者さんのからだを心配しているからこその言葉なのでしょうが、ときには、正論ではなく、女性の気持ちに寄り添ってほしいときもあるのです。

妊娠や出産という役割や年齢に関係なく、女性にとって、子宮も乳房もかけがえのないものであり、パートナーの人たちにもそれを知っておいてほしいと願っています。
妻や恋人がどのような治療を選択するとしても温かく受け止め、相手の気持ちに寄り添いながら治療がうまくいくようにサポートをお願いします。

子宮頸がん検診の勧め

子宮頸がんは子宮頸部(子宮の入り口)にできるがんです。初期には症状がありませんが、子宮頸がん検診を積極的に受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。早く見つかるほど、治療の選択肢も多くなります。早期であれば子宮頸部の一部を切除するだけですむことが多く、子宮を残す可能性が高くなります。
「子宮頸がん検診」は、市区町村や職場、健康保険組合などで行われています。費用の多くを公費で負担しているため、無料もしくは少額の自己負担でがん検診を受けられます。
20代後半から40歳前後までの人に多く発症するため、検診の対象者は20歳以上、受診間隔は2年に1度となっています。子宮頸がん検診では、問診、子宮頸部の視診、細胞診、内診などが行われます。

子宮頸がん検診の通知が来たら、ぜひ受けてみてください。ただし、子宮頸がん検診は、子宮頸部にできたがんを発見するために行われるもので、子宮体部(子宮体がん)の検診はしません。

婦人科の受診をためらっている方も、「子宮頸がん検診」という全国で実施されている検診の機会を有効に活用することをお勧めします。
定期的に「子宮頸がん検診」を受けることで、自分のからだへの意識も高まるのではないでしょうか。

婦人科検査の準備と適した服装

婦人科検診の前の準備、避けなくてはいけないことはあるのでしょうか

初診時には、受付で渡された問診票に記入します。
病院へ行く前に、最終月経(前の月経)はいつだったか、妊娠、出産歴、月経の周期、閉経の有無などを整理しておきます。基礎体温表をつけている方は、持参するとよいでしょう。

また、月経血の量の多少、月経期間以外の出血(不正出血)の有無、貧血の有無、腹部にしこりを感じるか、下腹部痛の有無、便秘や頻尿などの自覚症状を、メモしておくと、医師の質問に答えやすくなります。
月経量が多い場合は、「1時間に1回、多い日用のナプキンを交換している」とか「レバーのような3センチくらいのかたまりが出る」「月経が10日間続く」など具体的に伝えるとよいでしょう。腹部にしこりを感じる場合なども、「2、3年前より、おなかのしこりが大きくなり、テニスボールくらいになっている感じ」などと、具体的に表現するようにします。

当日の診察では、ドクターが顔色や唇の色、爪の色などを参考にすることがありますから、なるべく薄化粧を心がけてください。口紅などを診察前に落とし、終了後につけなおしてもよいでしょう。
当日の服装は、長めのフレアスカートか、パンツスタイルなら長めのオーバーシャツやチュニックなど、腰まで覆う丈のトップスがおすすめです。腰まですっぽり隠れる長さがあると、内診のときに診察台に上がりやすくなります。出血などに対応するため、予備のナプキンを持参すると安心です。

インフォームド・コンセント

子宮筋腫の対処法には、経過観察をはじめ、さまざまな術式による手術、症状を抑える薬物療法、筋腫への栄養路を断つ血管内カテーテル治療など、いくつもの治療選択があります。
筋腫の種類や大きさ、年齢、妊娠を希望するかどうかなどによっても、治療法の向き、不向きが異なります。
後悔しない治療を受けるには、まず、自分が受けられる治療法にどのようなものがあるのかを知り、その中から、十分に納得して治療法を選ぶことが大切です。

そのために欠かせないプロセスが、患者さんと医師との間でやり取りされる「インフォームド・コンセント」です。
「インフォームド・コンセント」とは、医師の説明義務の1つで、日本語では「説明と同意」と訳されています。もう少しわかりやすくいうと、医師が病状と診断、治療方針を説明し、患者さんがその内容に対して十分に納得してから同意することをいいます。
医師は、改めて「これがインフォームド・コンセントです」とはいわないかもしれませんが、病状や治療法の説明が始まったら「これがインフォームド・コンセントか」と解釈すればよいでしょう。

医師の説明がよくわからないときには、遠慮せずに質問してください。複数の治療法を示された場合には、それぞれの治療法のメリット(利点)とデメリット(欠点)、治療後の経過、副作用の有無などを聞いておきます。忘れないためにメモをとっておくとよいでしょう。

1度の説明でよくわからなかった場合や、医師が忙しそうでそれ以上質問するのもためらわれ、疑問点が残るようなときは、その場で急いで結論を出す必要はありません。「すぐには決められないので、考えてみます」と伝え、家に帰ってから、自分の希望や医師の説明を整理してみます。また、家族や信頼のおける友人に相談してもよいでしょう。
医療機関で用意されている治療法のパンフレットなどをもらったら、それを参考にされるとよいでしょう。また、インターネットを使って情報を得る場合は、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、産婦人科診療ガイドライン‐婦人科外来編‐など、信頼できるサイトを閲覧してください。さらに、患者さん向けの書籍などの情報も併せて検討してみると、より理解しやすくなるでしょう。疑問点などはメモしておき、次の診察日に確認します。

「インフォームド・コンセント」の場面を医師と患者さんの形式的なやりとりと考えずに、自分の状態と受けられる治療法、その後の経過についての説明をしっかりと受けて、十分に理解し、納得してから治療に臨むことが重要です。

入院の準備、入院中の過ごし方

子宮筋腫の手術や治療で入院する場合、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。
まず、医療機関で渡された「入院のしおり」などのパンフレットを参考に、持ち物リストを作ります。
1週間前後の入院でも、意外と荷物が多くなります。キャスター付きの旅行バッグに入れて入院し、退院時にまだ重い荷物を持てないようでしたら、すぐに必要なもの以外を宅配便で送ってもらうのも一案です。

◆入院時に持参する基本セット◆
寝間着、下着、バスタオル類、室内履き、洗面用具、ティッシュペーパー、湯飲み、箸・スプーンなど

入院中は基本、パジャマで過ごすことになります。手術後は、傷を圧迫しないように緩めのパンツがよいでしょう。また、排尿管などが入っていると、ズボンでは着脱しにくいことがあります。前開きのネグリジェなどが1枚あるとよいかもしれません。
入院中の洗濯を家族に頼めないときには、レンタルパジャマの利用も検討されます。入院する病院にそのようなサービスがあるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
入院期間中は、シャワーの回数も限られていますので、バスタオルの使用は少ないように思いますが、食事のときに布団が汚れないように上に敷いたり、肌寒いときに肩にかけたりと、本来の使用以外で役に立つことがあります。
また、院内はとかく乾燥しがち。リップクリームは必需品です。日ごろ使っているスキンケア用品も持参しましょう。

医療保険に加入している人は、事前に生命保険会社に連絡をし、生命保険会社から給付を受けるときに必要な書類(「入院・手術等証明書、診療明細書」など)の有無を確認しておきましょう。

一人暮らしの方では、新聞や牛乳などの定期的な宅配物を、一時休止するように連絡を入れておきましょう。

IVRによるさまざまな治療

IVR(アイ・ブイ・アール)という言葉をご存じですか。あまり聞きなれない言葉かと思いますが、近年、さまざまな医療現場で活躍している治療法です。
IVRは、「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」の略語で、日本語では「画像下治療」といいます。
IVRは、画像下治療という名前のとおり、X線(レントゲン)やCT、MRIなどの画像診断装置で体の中の様子を確認しながら、カテーテルや針などの医療器具を使って、病気の原因のすぐ近くで治療を行います。
外科手術のようにからだにメスを入れることがないため、開腹する手術より入院期間が短くすみます。体内にカテーテルなどを入れる穴は数ミリなので、縫う必要がなく治療後に傷が残ることはほとんどありません。また全身麻酔ではなく局所麻酔で治療が行われることが多い治療法です。

ここで説明したUAEもIVR治療の1つです。UAEは子宮動脈を塞栓し、筋腫への栄養経路を絶つことで筋腫の縮小を図りますが、同じ考え方の治療に「肝動脈塞栓術」があります。こちらは、肝動脈を塞栓することで肝臓にできたがんの縮小を図ります。がん治療の分野ではほかにも、カテーテルを利用して病巣へ直接抗がん薬を注入するなどの治療も試みられています。
また、脳梗塞や心筋梗塞などは血管内に粥腫(じゅくしゅ:コレステロールなどが溜まってできる腫瘤)が詰まることで発症しますが、IVRの技術を使って、この粥腫をとり除く治療が行われています。
将来的には、IVRを使った治療は、さらに広がっていくことと思われます。