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不妊症


2020年11月公開
2021年11月更新

不妊症


不妊とは、生殖可能な年齢の男女が、避妊せずに充分な頻度で性交渉を行っているにもかかわらず、一定期間妊娠しない場合をいいます。ここでいう「充分な頻度の性交渉」とはだいたい週2回、ランダムに(土日だけ等ではなく)性交渉をもつことを言います。また、「一定期間」とは「1年」と考えるのが一般的です。不妊に対して診療を開始した場合は、不妊症と呼ばれます。

不妊症

日本では、晩婚化などにより不妊夫婦の比率は増加してきています。
不妊症には、男性不妊、女性不妊、両方に原因がある場合や、検査をしても原因がみつからない原因不明不妊とよばれるものなどがあります。
男性不妊と女性不妊の割合は半々ぐらいです。

男性不妊の原因には、造精機能障害や精路通過障害、性機能障害が考えられます。
女性不妊にはさまざまな原因がありますが、主なものとして、①排卵がうまくいかない、②卵管に狭窄や閉塞などの問題がある、③子宮に筋腫やポリープ、癒着などの問題がある場合などが挙げられます。
また、年齢が上がるにつれ、男性では精子の数や運動性の低下、女性では卵子の数や質の低下、子宮筋腫や子宮内膜症による子宮環境の変化が生じます。一方、妊娠に関しては加齢の影響を受けるため、将来妊娠・出産を考えている方は、早めに妊娠に向けての取り組みをパートナーと話し合うのも必要かもしれません。

不妊治療は、不妊症の原因に応じて行われます。
不妊症の治療としてタイミング法、卵管の治療、人工授精などがありますが、これらの治療を試みたものの、妊娠に至らない場合には体外受精などの生殖補助医療が検討されます。
先に述べたような頻度での性交渉が難しいカップルは、排卵日直前にチャンスをもつなどの工夫が必要です。基礎体温は上昇したら(高温相になったら)妊娠しません。
排卵日を推定するアプリ等もありますが、より正確に排卵日を予測する尿検査のキットが市販されています。これを用いて6周期(6ヵ月)妊娠しないときは不妊の可能性がありますので、ぜひ産婦人科に相談してください。
受診の際にはパートナーと一緒に行き、二人で治療をしていくとよいでしょう。




※このコンテンツは産婦人科の先生にアドバイスをいただき作成しています。