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子宮頸がん


2020年11月公開
2021年11月更新

子宮頸がん


子宮頸がんとは、子宮の入り口である子宮頸部に発生するがんをいいます。子宮の奥にある子宮体部にできるものは子宮体がんと呼ばれます。子宮がんのうち約7割が子宮頸がんです。

子宮頸がんの位置

子宮頸がんと診断される患者さんは、最近では20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。2000年以降は先進国の中で日本だけが患者数も死亡者数も増加傾向にあります。

子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
HPVは女性も男性も感染するウイルスで、性交渉により感染します。感染しても症状はありません。ただ、HPVに感染した状態が続くと、一部の女性では、子宮頸部の細胞が子宮頸がんになる前の段階である「異形成」という状態になり、その後さらに一部の女性では、一部の細胞は数年をかけ子宮頸がんになることがあります。

「異形成」や初期の子宮頸がんは症状がありません。進行すると性交時出血、不正出血、ふだんと違う帯下(おりもの)が増えるなどの症状があらわれます。「異形成」や初期のうちにがんを見つけるために、検診が重要なのです。

子宮頸がんの治療には、手術や放射線治療、薬物療法などがあります。これらは組み合わせて行われることもあります。進行度(ステージ)や患者さんの年齢やからだの状態によって治療法が選択されます。

子宮頸がんは、早期(Ⅰ期)で発見された場合、5年生存率は90パーセントを上回りますが、子宮を失う治療を受けなければならないことが多いです。子宮頸がんで亡くならないようにするためには、早期に発見すること、つまり、定期的な検診がとても有効です。
子宮頸がんは比較的若い世代の患者さんも多く、20歳以上の人は2年に1回、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。多くの市町村が検診費用の一部を公費で負担しているため、一部の自己負担で検診を受けることができます。自治体によって対象者(対象年齢)は異なります。

さらに詳しい情報は、「国立がん研究センターがん情報サービス」(外部リンク)をご覧ください。

がん情報サービス


子宮頚がんワクチンについて
HPV感染を予防し子宮頸がんの発症を防ぐ、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が開発され、世界70か国以上で国のプログラムとしてワクチン接種が行われています。また、WHOでも性交渉を経験する前の10歳代前半に接種をすることが推奨されています。現在も日本では小学校6年生~高校1年生の女児は定期接種として無料で接種することができます。
HPVワクチンについて、詳しくは日本産科婦人科学会ホームページの『子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために』(外部リンク)をご覧ください。




※このコンテンツは産婦人科の先生にアドバイスをいただき作成しています。